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里と湖のポレポレ時間~

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個性

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アゴラにはさまざまな子どもさんが来ている。
いろんな個性を持っている。
世間では近年個性という言葉を重要視している傾向にある。
「世界で一つだけの花」という歌でいろんな子がいていいんだよって、なんとなく大人も感じた事だろう。
が、本当に個性ってどういう感じで理解しているのか・・・
個性って言う言葉は、いわゆる公立学校の範囲の中で、それぞれの性格、それぞれの特性を大事にしようと言っているような大変曖昧なニアンスで「個性」という言葉を受け止められている。
アゴラの先生の意識の幅は、そのアベレージ(標準)的な幅での「個性」で捉えていない。
人間という幅の中で「個性」というものを捉えている。
人とちがう事が、世間では、「おかしいの?」とか「障害?」とか言われて、線引きをして社会は何となく自分とはちがうものを排除して成り立たそうとしているように思う。
人とちがうものを排除するとよく似た集団が出来る。
するとそのよく似た集団からは、より違いは際立ち、「おかしいの?」って言うレッテルを貼られる傾向がある、この社会は・・・。個性_e0253482_22193839.jpg
集団意識をもつことで、みな同じであると安心し、自分がちがうと言われる事を恐れ、標準を保つ。
それが得に日本という国の特性。
個性は生まれてきた時既に持っていたものかも知れない。
個性は自分という者を形成する遺伝子の中に組み込まれている何かかも知れない。
人は生まれ、両親やその子を取り巻く環境により、自分そのものにいろんなものが加わっていく。
特にこの社会では、個性をちゃんと見ないで、親やその周りの環境の価値基準で子どもたちを作り替えていってしまう。
個性ってものをひどい時には消し去ってしまう。
障害という枠をもって線引きしているこの社会は、福祉が充実したいい社会になったというのだろうが、本当のところ、見えなくしているだけで、他との違いをより鮮明にしているようだ。
「ちがう」というものが見えれば、その「ちがい」を排除し、摩擦を防ぎ、均一な社会を目指す今の社会には個性の尊重は無いに等しい。
障害という言葉で人は区別して、「ちがう」を個性として見ない。
ちがうものは、自分と合い交えない事だと線引きして社会を形成しうる今の社会。
ちなみに、中学のいじめ問題はその「ちがい」をすごくいびつに表に出た状況である。
アゴラの先生は、社会の中にいろんな子が存在する事を欲している。
でないと、社会は排他的になって、利己的な冷たい物質的社会となるだろうと、感じている。
社会は生きている。
人間という生き物が存在しているわけだから、ちゃんと息づく人の往来があり、認め合う関係性が成り立つ事が安心できる社会だという。
例えば、自閉という診断を下された子どもが、私たちが想像する以外の行動をした時、「ちがう」ということで、線引きするのではなく、この子はどういう視点をもって何処を見て、どういう思考をし、どう物事を捉え、どう表現しているのか、・・・その事をじっくり子どもと向き合い関わる。
この子は「ちがう」からっていうことで大目に見たり、いいわいいわする訳でもなく、逆に犬のしつけのように叱咤して叱るのではない。
どんな子にも駄目な理由をちゃんと伝え、同じように接する。それでも理解できなく、同じ事が繰り返される時も、続けて向き合い、ちゃんと伝える。個性_e0253482_2220953.jpg
そしてその子の持つ個性をちゃんとその子に伝える。「〇〇がいいよ」って。
確かに違いを認める事って大変難しい事だし、人は自分とちがう事を「恐怖」する習性がある。
それは、今までの歴史の中で成り立たせてきた権力者が行った思想統制からくるもので、代々から伝わる悪しき習性である。
「世界で一つだけの花」で伝えられた事を、もうそろそろ実践していくべきである。
違いは個性であり、その個性があなたであり、そのあなたは、生まれてきた時に持ち合わせていた大事なものなんだとちゃんと伝える先生でなのある。
アゴラっていろんなすごい子がいるコミュニティー。
# by agorakodomo | 2013-02-11 12:10 | 伝えたいこと

合格おめでとう!

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うれしい知らせが舞い込んできた。
アゴラ子ども美術工場に通う○君の高校合格の電話だった。
「合格しました!」
○君は、たいへんやさしい子どもさんだ。
私に修学旅行のお土産に交通安全のお守りを買ってきてくれた。
アゴラの先生が事故で倒れた時、すごく心配して病院に何度か来てくれた。合格おめでとう!_e0253482_7564339.jpg
身体中傷だらけの先生の手を持って自分の頬にあてて「痛いね〜痛いね〜」って同調していた。
時には身体をさすり、時には手紙をかき、花を持ってきてくれた。
小学1年生からアゴラに通い、アゴラが大事な場所だった。
その○君もそろそろステージが切り替わる時となった。
今子どもたちの状況はどうなっているのか知っていますか?
就学時検診、保健所等での成長発達の検診は、正常を見るだけでなく、少しでも異常が見つかったら、養護学校へ通うように進められる。たとえ小学校へ行く事になったとしても、中学、高校と区切りごとでその都度行政や学校は養護学校を進められる。
養護学校が悪い訳ではない。養護学校へ行けばもっと優しく子どもたちに接してくれる先生がいて、その先生もたくさんいて、その子の様子に応じて対応してくれる。
優しい社会になったよね!と一般的にはそう思ってしまう。
しかし少しでも障害だと言われた子と親はどんな気持ちでいると思いますか?
養護学校へいった子どもたちは、いずれ作業所等に就職していきます。
決まりきった道が用意されています。
それが自立だというように。
その事を世間は知っていますか?
私たちは平等に自由を持つ権利が許されています。
生まれながらにして・・・。
でもほんとうに自由ってどういう事なのか・・・
養護学校へ行った子どもたちの就職、進学ってどういう広がりがあるのかと考えた事がありますか?
普通中学、高校へ行った子どもたちに夢を持て!といわれていても、養護学校へ行った子どもたちへ同じように大人は夢を持て!自由に生きろ!って思っているのでしょうか?
学校進学はたいへん大きな壁となります。
社会が作った道に載せる事があたかもいいように思えるのですが、その大なり小なり障害という言葉で区切られた子どもたちにとってその道は、決められた、固定された、限局された道であるように思うのです。
幼稚園の時に、話さないから発達障害だと宣告された。自閉症だし、みんなと同じように成長は出来ないよと宣告された。ちがうな〜この子は。。。
そんな事を言われた子や親たちはどんな気持ちで日々を過ごしているのでしょうか。
誰がどんな権限でその子の未来を予言するのでしょうか。
障害がある子どもたちに対して、ちがうという目を持ってその子を見る。
おおめに見る・・・そういう感じで社会は動いているような気がします。
だから将来の夢に対してもある程度でいい…そんな感じで制限して子どもたちを見ているような気がします。
でもちがうんだ!ということを私はアゴラ子ども美術工場で知りました。
アゴラ子ども美術工場には、16年間いろんな子がいました。
東大、京大、国立大学等へ行った子、染色関係へ行った子、大学で歴史を学び編集者を夢見途中の子、美大へ行った子、様々です。
いわゆる優秀という子たちもいます。障害と言われた子どももいます。
でもその障害は、いつしか障害ではなくなり、その子の大事な個性であり、その子の持つ可能性へと変わります。
その子たちを変化させていくことは、何か・・・
それはその子を大事に思うこと。その子の可能性を信じる事。その子の道を決めない事。そして変化を見落とさないこと。その子の表現をたとえ小さなものであっても認める事。そしてその子を優しく包む事。
そうやってこられた先生の様子を見てきました。
先生のやってこられた事は、目立つ事ではありません。子どもだましのようなちんけな物だと捨てられる物も拾って大事にする事って、この社会のスピードや重要視される事の中には、意味のない物だと言われてしまう事でしょう。
合理主義の社会にとってはとくに・・・
消されてしまうアナログの世界がアゴラ子ども美術工場にはいっぱいあります。
でもアナログの世界の中にこそ、子どもたちが生き生きと自分から生まれる表現を形にしていきます。安心する場所から可能性は生まれるのです。
お母さんのおなかの中、羊水に包まれていた頃、私たち大人も子どもたちもみんな多分安心していたはずです。
あなたがいいよ、大事だよってみんな思っていたはずです。
そしてこの心地よさを知っているはずです。
その心地よさが社会の中では、消えていってしまうのです。
区別という枠で・・・
みんな同じ土俵の上でそれぞれの子どもたちの成長を見届けたい!
あなたの存在は無限大!
主婦という区切りをもらった大人の私でさえも、個として自分のやる事を認められる事って大変うれしく、そこに存在意義を感じるものです。
大人になった私たちは、いやというほど感じているはずです、区別される事を・・・。
その大人が今の子どもたちの可能性を見ないでどうするのか・・・。
区別せず、存在意義をみんなが同じように感じられたなら、この社会はもう少し、居心地よくなるのかもしれません。
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「明日大丈夫かな?」ってずっと心配していた○君。
大好きなワンピースもお預けだった○君。
心配する○君に私は、ずっと鞄の中に持ち歩いていたアベンチュリーというクリスタルを手渡した。
○君の手にそっと置いて、○君がクリスタルを握る手を私の両手で包んだ。
「大丈夫、大丈夫!安心しなね。拝んどいたる。大丈夫。大丈夫。」
何が大丈夫かわからずとも、「大丈夫」と唱え、○君に微笑む。
帰り際、アゴラの先生は○君を大きくハグした。そして「大丈夫だ。大丈夫だ、○」と頭をなでた。
○君は、「ありがとう」っていって帰っていった。
次の日の午後・・・
「先生!高校合格!」○君からの電話あり。
本当に良かった。4月からまた○君の新しい挑戦が始まる。
守られた空間からまた新しい学校の先生や生徒との交わり、電車で通い、今までとはちがう社会を歩く。
そこにちゃんと優しさが存在していることを願い、アゴラで○君の笑顔を心待ちにしていよう。
# by agorakodomo | 2013-02-05 07:55 | 子供達のこと

お正月遊び〜あけましておめでとう (小学クラス)

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小学クラスは土曜午前、午後、日曜午前と三クラスあります。
それぞれが恒例の凧作り。
もう知っているよ!今年もその季節なんだね!とバージョンを変えて作る子もいます。
先生はちなみにフクロウの凧、おばちゃん先生は赤鬼凧。
子どもたち蝶々、幾何学的な模様や、お正月と言えば…バージョン、足をなが〜くして蛇にしている子もいたよ。
ツルに羽をつけて飛ぶかな〜っていう凧を作る子もいたし〜。
先生の見本を見ながら黙々と制作に取りかかる小学クラスです。
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凧たこ上がれ〜天まで上がれ〜。
朝のクラスの子どもたちは風があってよく飛んだ!
こんなに高く飛んだよ!って自慢げに微笑んだ。
その微笑みの中に先生もいた。
真っ青の空に小さな折り紙凧が気持ち良さそうだ。
その気持ち良さそうな凧さんもいれば・・・土曜日の午後のクラスの時には風がふかず・・・
あ〜あ・・・おいおい!そんな具合いの凧上げでした。
こんな時もあるよね。
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# by agorakodomo | 2013-01-27 19:35

お正月遊び〜あけましておめでとう (幼児クラス)

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さてアゴラの先生も徐々に元気になってきました。
スケジュールも先生モードに戻りましょう。
1月は恒例の凧作りとまいりましょう♩
幼児クラスでは福笑いをまず作りました。
もう最近の子どもたちはお正月にやった事なんてないのではありませんか?
福笑い・・・初笑い。
さてまずはおばちゃん先生がお手本を作りました。
自分の顔を描いていくよ。そして、お目目、お鼻、お口、眉毛、頬も切り抜いていくよ♩ってね。
T君もKちゃんも何となくわかって自分の顔を描き出した。
でもあくまでもかわいく!がモットウのようです。
おかしく描いた私がちょっと恥ずかしくなりました012.gif
そしてみんなで目隠しして福笑いでしばらく遊びました。
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そして次は凧作り。
折り紙で作るよく飛ぶ凧です。
毎年アゴラでは恒例です。
はい、みんなよく聞いてよ!
折り紙を格好よく切ります。そして次に折ります。そして芯をつくります。
ピシピシって強く折り曲げます。
「はいKちゃんは上手だよ」って5歳のKちゃんの後ろについて先生は教えます。
6歳のT君は、一人で出来るもん!僕去年も作ったから!って今日もはりきっています。
そしてなが〜い足をつけますよ!」「は〜い」
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そして出来上がった凧を持って外で凧揚げです。
どう!すぐに風をよんで空に高く飛んだよ!
わ〜いわ〜い♩飛んだとんだ!凧たこ上がれ、天まであ〜がれ♩
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# by agorakodomo | 2013-01-27 18:43 | アゴラのこと

みんなありがとうね〜。

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今年はいろいろありましたね。
16年続いたアゴラで先生は休んだ事もなかったのに、休まざる得ない状況になりました。
みんな動揺しましたね。
私も動揺しました。先生も大変だったと思います。
でも9月からいろんな形で関わってくださった方々の存在、子どもたちの気持ちにアゴラと先生は今日という日を迎える事が出来ました。
そして本当は復帰は1月以降という話だったのですが、二ヶ月も早くアゴラに顔をのぞかせる事が出来ました。
それはみんなの思いに他なりません。
人に奇跡をもたらす事はお金でも、技術でもありません。
本当に大事な事は人を思いやる気持ちだという事、思いだという事。
その事を今回は本当に感じた出来事でした。
アゴラでは思いをちゃんと相手に伝え、形にしていく事を学んできた子どもたちが今回先生に絵や千羽ツル、手紙、時計、お花、・・・そして先生が早くアゴラに来てくれる事を思って先生のいないアゴラにきてくれました。
この優しさが先生に気力を与え、今という時間があるんだと先生は言います。
本当にありがとうね〜。

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さて、この石は小学5年のL君からのプレゼントです。
11月のある日の事です。
L君はアゴラにお父さんとやってきました。
「先生、これあげる」ってL君はそっと石を先生に手渡しました。
「なに?」
「先生、これは磁気がある石なんだ。先生に」って。
「あ〜そうか、そうか、L君ありがとうな〜」って先生はL君の頭をなでました。
「先生、身体大事にしてください」といいながら恥ずかしそうにL君はアゴラを後にしました。
アゴラは9月3日の先生の事故で一度は、お休みを子どもたちに伝えました。
けれども、アゴラを先生が復活するまで休止するよりも、先生がいなくても続けていた方が先生自身も早く良くなるのではないかという思いと、子どもたちが先生がいなくてもここにきたいという思いをもって、アゴラを継続していく事になりました。ただ、先生はいないので、その代わりの先生がアゴラを開ける事を子どもたちに伝えました。
L君は来ませんでした。
どうしてだったか・・・
L君は、新聞で先生の事を知りました。
大きな事故に遭い、死亡者も出て、先生は重体。
L君は本当に心配したといいます。「先生本当に大丈夫かな・・・。」と
だから先生の事を心配するあまり、先生のいないアゴラに行く事もつらかったそうです。
でも学校の課外授業である神社に行った時、石を見つけました。
磁石のような石を。
L君は興奮します。そして先生にも・・・といくつか石を拾って帰ってきました。
昔先生はアゴラの裏山が200万年前の化石だった事を子どもたちに伝えました。
そして石にもいろいろある事を伝えました。
アゴラは自然からいっぱい面白い不思議を学びます。
その中で知った事がL君のなかにあり、その中で先生との思い出を繰り返し回想したのでしょう。
先生を思い拾った磁石の石。先生は喜んでくれるだろう。・・・
先生がもうアゴラに行き来している事を聞いたL君はそっと先生を訪ねました。
先生は涙を流して石を私に見せてくれました。
「これをL君が持ってきてくれたんだよ!これだよ!すごいな〜すごいな〜!うれしいよ!本とうれしいよ」って石を両手で優しく包みました。
子どもたちは様々です。
先生先生!と言葉を発して思いを告げる子、絵をかいたり、文章にしたり、ツルを作ったり、・・・心配しずぎて思い悩んで家でじっと先生を思うことを精一杯やった子。・・・
いろんな思いを知って先生は泣きました。
そして元気になりました。
ありがとう〜ほんとうにありがとうね〜。

一年間いろいろありがとうございました。
アゴラはこうして繋いで新しい年を迎える事が出来ました。
来年もどうぞよろしくお願いします。
# by agorakodomo | 2013-01-12 13:09 | 伝えたいこと